アニメタイトルの文字数が年に0.1ずつ増えている件 その2
前回、100年分のアニメタイトルの回帰分析からアニメのタイトル文字数が年に約0.1文字ずつ増えていっているのではないかというグラフを作った。
ただ、前回使用したデータはいわゆるOVAや劇場版のタイトルも含まれている。劇場版やOVAだとタイトルに「劇場版〇〇」とか書くことが多くなるためアニメ映画が増えるごとにタイトルが長くなっている可能性はある。
というわけで今回はテレビアニメのみに絞って、年代ごとのタイトル文字数推移を見ていくことにする。
グラフ化して回帰直線を付けた結果がこちらだ。
相関係数はr=0.78だった(前回は0.91)とかなり強い相関が見られた。相関検定の結果は有意だった(p<0.01)。決定係数も前回の0.82と比べれば落ちるがR^2=0.62程度はある。やはりアニメタイトルは年に約0.1程度長くなっているようだ。説明力が落ちたのは前回が100年分のデータだったのに対しテレビアニメで絞ったためデータ数が少なくなったためかもしれない。
また、OVA劇場版も合わせた時の分析と比較すると全体的に文字数が2文字ほど減っている。やはり劇場版などではタイトルが少し長くなるようだ。
英語と記号の存在について
しかしここで、もう一つ疑問が浮かぶ。
英語と記号の存在だ。
見た感じだが、昔のアニメではあまり英語は使われていない。しかし近年のアニメでは特にサブタイトル的な位置で英語(他の言語もあるかもしれないが)が使われているのが目立つ。英語が使われるとどうしても文字数は多くなってしまう。
さらに「!」や「~」などの直接音にならない記号の増加も気になるところだ。
そこで、次にアニメタイトルの「文字の音数」で同様の分析を行った。
例えばアニメ「NEW GAME!!」なら文字数は記号空白を入れて10文字だが音数だと「にゅーげーむ」で6文字となる。正確には音数を数えるときは「にゅ」のような文字は1文字としてカウントするようだが今回はこの方法で行う。
結果は以下の通り。
相関係数はr=0.60。文字数で分析をした時に比べると一気に説明力が0.37と低くなってしまった。また回帰直線の傾きが緩やかになり、1年間に約0.05文字ずつ音節が増えてゆくという予測式になった。
文字数に比べて緩やかになったのはやはり英語や記号の増加が影響していると思われる。もしくは、漢字の使用が減っているのかもしれない。
だいたいの結果
- アニメのタイトル文字数は年に約0.1文字のペースで増えているっぽい。
- 音数は約0.05文字ずつ増えているっぽい。これは記号や英語の使用が増えたためかもしれない。
「う~~ん、このタイトルじゃインパクトがなくて売れなさそうだなあ。どうしよう…」
となった時は
「せや、ひらがなにしてかわいらしくしたれ!」
「サブタイトルに英語とか入れてオシャレにしたろ!」
「!!!とか記号ぶっこんでインパクト出したろ!」
とか考えてらっしゃるのかもしれない。お疲れ様です。